
ほぼ25年ぶりにミスミソウを見に行った。当時は右も左も分からず、人に連れられて行ったので、その後一人で行こうにも場所が分からなかった。
この場所は人に教えてもらわなければ絶対分からない。土地の所有者や地域の農業者ならばたまに通るかもしれないという山の中。そういった人たちが植物に興味があるとは限らないので(多分興味がない)花に気づくこともないだろう。いや、興味があっても見逃してしまうようなかすかなたたずまいである。写真で見ると大きいが、花の直径が、大きく開いたときで25㎜ぐらいしかなく、閉じかかっていれば全く目立たない。ちょうど咲き始めたばかりで、これから次々咲いてくるといったところだった。
同じ場所に少ないけどセリバオウレンもあった。

上の写真の右側斜面に結構たくさん生えている。雨が降った後にはじわりと水が落ちてくるような場所である。連れて行ってくれた知人は「シダ(シシガシラ)が生えているところにあるなあ」ということ。ある植物が特定のほかの植物とよく一緒にいるという現象は、よくある。
ミスミソウは図鑑によれば西日本と日本海側にあるらしい。日本海側ではピンク色のがあったりして、花が多様であるらしい。ここに生えているものは白ばかりだが、花びらの細いのや太いのなど若干の違いはある。で、なぜここにあるのかが不思議なのである。地元の愛好家の間でも、この場所だけが知られており、ほかで生えているという話を聞いたことがない。本当に、ここにしかないのだ。
この地域は西日本と東日本の中間あたりにあり、どちらの植物も生えている可能性はあるのだけど、本当の自生だとすると、東限なのかもしれない。とにかく、この地域では希少な花である。
早春の花は第一にセリバオウレン、そして次がミスミソウだ。
