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  • 春が来ていた~摘み草の季節~オオイヌノフグリなど

    オオイヌノフグリ(オオバコ科)2024年2月中旬

    昨日から気持ち悪いぐらい暖かくなった。昨年も暖冬だったけど、今年はさらに輪をかけて暖かい。冬は一瞬だったし、雪が積もって一日雪景色だったことも1日しか覚えがない。寒いのは辛いけど、そんな冬もなんだか寂しい。暑ければ文句を言い、寒ければ文句を言い、寒くなくても文句を言う、本当に文句ばっかりの困った人間である。

    本格的な春が来る前に、冬の野を見届けようと散歩に出たけど、すでに遅かった。もうとっくに春が到来しているのである。つい先日、七草粥の草を探しに出たばかりだと思った。あれは1月5日と6日だった。1月はまだ冬の最中だから、七草粥なんて2月で良いと思っていた。しかし、あれよあれよという間にもう春なのである。冬緑性の植物たちは元気よく成長し、土手を緑色に彩っていた。アザミのロゼット、ハコベ、タネツケバナ、オオイヌノフグリ、スイバ、オランダミミナグサ、ノビル、などなど。

    冬緑性の植物は、冬の初めに芽を出して冬の間葉を延ばし、春になると花を咲かせるようなもので、よく見ると意外に多い。普通3月頃までは冬枯れの景色の中に埋もれて気づかないのだけど、前述の通り今年は良く茂っている。冬でもこんなに緑のものがあったのかと驚く。ただ、ノアザミはやセイタカアワダチソウの緑の葉はロゼットという冬越しの葉であり、本格的に成長するのは春以降なので、冬緑性とは言わない。

    この中でも春の七草のハコベ、ナズナや、タネツケバナ、アザミは食べれられる。ほかにも食用に適する草は意外に多く、挙げ始めるとキリがないので今回はやめておく。

    上の写真はオオイヌノフグリ。春を告げるといえばこの花なのかもしれない。優し気で、4月にはパッと地面を埋めるように咲くので、春の楽しさや期待感を増してくれる花である。探すと真冬にも少し咲いている。

    タネツケバナ(アブラナ科) 2024年2月中旬

    タネツケバナも葉は年末から出ている。花がチラチラ咲いてきた。クレソンと近い植物で、よく噛むとピリッとした味がする。アブラナ科で、同科にはダイコン、カブ、ブロッコリーなど野菜がたくさんある。結構野菜っぽい感じで食べられる草である。

    ハコベも思いがけず咲いていた。タネツケバナが真冬でもときどき咲いているのに対して、こちらはもう少し遅いので、今日は焦った。春が迫ってきている。ナズナもロゼットを食用にするのがよく、こんなに伸びてしまうと、ちょっと食べるにはどうかと思う。

    ナズナ(アブラナ科) 2024年2月中旬

    タネツケバナとナズナは花の付き方が似ているので混同している人がよくいる。葉を見れば全然違うし、花の色はタネツケバナの方が純白に見える。タネツケバナの方が葉色が濃いので、コントラストにより白く見えるのかもしれない。ナズナの方がスモーキーではっきりしない感じだ。花の房はタネツケバナより大型である。